日付は変わったが今日の夢

旅館というより研修所のようなところにいた。6畳ほどの畳の部屋で、職場の人と窓辺にあぐらをかいて他愛もない話をしていた。やや曇っていたけど、爽やかな日で風が気持ちいいなぁなんて思っていた。
そのとき部屋からのびた通路の先にある入り口のドアの右手にある給湯室からボフッボフッという音がした。視線を送ると煙が給湯室から上がっていた。ガスは止めたと思ったのになぁ、めんどくさいなぁ、誰か止めるだろう。
みんなのみんなの顔色をうかがった。オイラと同じ考えなのか、不安からなのかオイラには分からなかった。それはそんなに長い時間じゃなかったのに、給湯室からの音はあっという間に爆音に変化していった。耐えきれず誰かが立ち上がった瞬間には爆音は地響きを伴った。
部屋が揺れる。壁が崩れるかと思うほどの爆音とともに、給湯室から通路の壁に向かい壁の破片が飛び散った。怖かった。すでに給湯器を止めようにも止められない状態になっていた。非難することを考えた。しかし給湯室から飛んでくる壁の破片は鉄砲の弾のように感じられ、その先の入り口へ向かうのにも怖じ気づく程だった。
次男が「だいじょぶだよ。今ならまだ大丈夫」といって私を引き、余った片腕で顔を覆いながら部屋を飛び出た。引きずられるように自分も給湯室横を抜け部屋を出た。無傷だった。助かった。
階段を駆け下りる。他の部屋からも異変に気付いた人たちが階下へ非難する。全員がまだ非難していないので一部の不安はあったが、とりあえず助かった。どんどん階段を駆け下り、1Fのフロアが視界に入り、階段を1段下りるごとにフロアへの視野が広がった。それと比例して反比例するはずの恐怖心が心を支配した。なんだこの光景?
死んでいた。人が大量に死んでいた。
1Fフロアに5mほどのクレーターとその他数カ所、爆発のような後があった。地下で何かがあったらしい。配管の爆発か。
それにしてもその光景。ついさっきまで日常を生きていたと見て取れる人が死んでいる。ソファーからなだれ落ちた状態で死んでいる人は紐のようだった。本当に命は瞬間で無くなってしまうんだ。戦争もこんなもんなんだろう。一瞬で大量の命がなくなるんだろう。怖い。
とにかく直視できなかった。外までなるべく手で視界を覆って走った。それでも何体もの遺体を見た。
 
まぁこんなところ。布団か棺桶に収まっているのとは違う死体なんて見たことも無いのに。こんな夢は生まれて初めてだ。

この先も話は続くけど、要は命からがら生き延びた人が施設を眺めしばし呆然とする。その後どんな作業をしたかおぼえていないけど、知らない人同士が声を掛け合ったりするようになり「ああ、人間の本質ってこうなんだな」と感心したり、どこからともなく母が出てきて「お父さんはどこだろ?」言い「そういえば、今まで自分の命を守ることに必死で、考えが及ばなかった」と、これまた「冷静になったつもりでも、しばらくは何も考えられないもんだな」と自分の非情さを棚に上げてみたり、といった感じだ。

こんなに長い夢なのに、もう一本夢をみて、これまた長い夢だった。俺の罪悪感を呼び覚ますタメに神様が週になんどか与える、よく見る夢。